オイル確認

オリーブオイルの官能検査(テイスティング)表現

味わっていない人に味や香りを伝えるため、オイルを比較して評価するためには、使われる用語があります。ここではそれを紹介します

●ポジティブな特質表現
  苦い:オリーブオイルの特質、緑色のオリーブから出る味:心地よさは、強度にも寄る
  アーティーチョーク:とても好ましい味:新鮮なオイルにて確認!
  甘い:好ましい味、砂糖はない、実の性質によって、柔らかく上品な味わい
  草:草を刈ったばかりの匂いや味
  干草:草が太陽によって干された香り
  フルーティさ:香り、味共にフレッシュで、実の熟し具合が最良な時期に収穫された
  成熟したフルーティさ:熟したオリーブから搾られる、通常は軽い香りと甘めの味
  青々しいフルーティさ:熟していない緑のオリーブの特徴、
             のどを通過するとき、ピリピリする感じ
  ナッツ:アーモンド、ヘーゼルナッツ、松の実の風味
  緑の葉:緑のオリーブの特徴表現の一つ
  りんご:甘いオイルの中、感じるひとつの特徴
  アーモンド:①フレッシュアーモンド(甘苦い) ②乾燥アーモンド(甘い)
  辛い:口全体に広がる辛味

●ネガティブな特質表現(イタリア語
  通常、検査で使われる表現
  Riscardo リスカルド:温まった油の臭い 発酵が進み果実が腐敗したような臭い
  Metallico メタッリコ:金属の臭い、新品の機械や缶の臭い、イタリア産は殆どない
  Muffa ムッファ:カビや湿気の臭い、地に落ちた実を使ったオイル、
          カビのあるところで実が一時保存された場合
  avvinato アッヴィナート:酢酸化した臭い(糖質が発酵、主に澱の発酵が原因))
       保存を間違った場合にも酸味を帯びる 
  Rancido ランチド:酸化した臭い、嫌な臭い
  Morchia モルキア:油かすの臭い、古いオイル

テイスティング


 

本格的にパネルテスター(鑑定士)が、商品価値を決めるために検査をするときは
視覚において、オイルの色が、判断に影響しないよう
わざと青や茶色の色つきのグラスを使用
普段は、エスプレッソ用プラスチックカップもOk

テイスティングの方法
①手の平(の温度)を使ってグラスを温め、約28℃までもっていく
②鼻にオイルを近づけ、一気に匂いを嗅ぐ(3回以上は繰り返さない)
③どんな魅力的な匂いがするか?あるいは、欠陥があるかを判断
④3~4ccほど口に含み。舌全体に行き渡るように、
 そして2度ほど小さく短い息を吸い込み鼻に香りを伝わせる
⑤苦味は後からくるので、すぐに判断をせず、少し待つ
⑥判断:よいオイルか?欠陥があるか?欠陥がある場合はなにか?
    どの程度か、よいオイルの場合はフルーティさ、苦さ、辛さはどのくらいか?

(1)ESAME OLFATTIVO:嗅覚分析
  上質のエキストラバージンオリーブオイルは香りが生きています
  オイルのクオリティの決め手ポイントは、強さ、種類、心地よさのバランス
  フレッシュな草の匂い、トマトの葉の匂い、アーティーチョークの匂い、緑茶の匂い、
フルーティさを感じたら、よいオイルかしら?と仮判断
  反対に
  不快な臭い、たとえば。。古いバターの臭いがしたり、
  動物の脂身が長い間空気にさらされたような嫌な臭い、
香りが劣るとき、カビの臭い、メロンなど果物が痛んだような臭い
  (収穫後、搾油前までにオリーブが発酵)は、嗅覚分析で欠陥オイルでは?
  と疑っておき、味覚で判断を確定する
  ※鼻で欠陥と判断した場合、味覚検査に行かない場合あり

(2)ESAME GUSTATIVO:味覚分析
  おいしいオイルは口の中に含んだとき、フレッシュさ、すっきり感があります。
  それに苦味と辛味が加わり、嗅覚で感じた場合、フルーティーさを味覚でも味わいます。
  ★フルーティさ
オリーブの品種によって、どんな果物に似ているか?
それは、熟したものか、青いものか?
   直接くるものか、後からじわっと来るものか?そして、程度を確認
  ★苦さ
  緑色、あるいは色が変わる段階のオリーブからでる特徴、舌の奥両脇で感じる感覚
  ★辛さ
  つんと(ピリッと)刺されるような感覚、緑のオリーブからでる特徴、
のどの奥で感じる感覚
 
 
テイスティング結果記入
 (1)と(2)の結果を元に、所定の用紙に
  ネガティブさがある場合の、各欠陥毎のレベル(強度、1~10までで程度判断)を記入
  よいオイルの場合、フルーティさ、辛さ、苦さをレベルで記入
 
 一人でテイスティングするよりも、何人か一緒に、いろんな人の判断を参考にしながら
 テイスティングするのが上達の秘訣!

オリーブオイルの成分検査

指定の検査機関でオリーブオイルの成分を検査することができます
検査内容は、持ち込む生産者、搾油所が指定、検査の量によって検査料金が変わり、
①~③のような検査パック(例)があります

①搾油所向き②商品ラベル向き ③クオリティー証明向き
 酸度酸度  酸度
 過酸化物 過酸化物 過酸化物
 弱酸性物質
(K232、K270,DeltaK)
 弱酸性物質
(K232、K270,DeltaK)
ワックス含有量と アルキル基エステル トコフェノール
 パネルテスト ポリフェノール
 公式認定鑑定士による見解

酸度:エキストラバージンオリーブオイルの規定は、0.80%以下、商品価値を決める上で一番重要な検査
過酸化物:酸の状態のこと、エキストラバージンオリーブオイルは20以下でなくてはならない。保存方法がよいことを条件とし、この数値が低いほどより耐久性あり
弱酸性物質(K232,K270,△K):新鮮さを表す、低いほど新鮮
ワックス:オリーブ自らが出した蝋、低いほど条件がよい
アルキル基エステル:脂肪酸の一種、オイルの健康具合を知る、オリーブの構造にない脂肪酸が見つかるとき、何らかの油脂が加えられた可能性を疑う
パネルテスト:公式鑑定士による官能検査
トコフェノール(ビタミンE):抗酸化物質、活性酸素を抑制、数値が高いほど好ましい
ポリフェノール:苦味、辛味の元、抗酸化物質、数値が高いほど好ましい
認定士による見解:全体バランスはどうか?フルーティさ、苦味、辛味に関してはどうか?等

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