1888年創業、現在の経営者は創始者の孫 クアットロチョッキ アメリコ氏
2022年1月15日 ラツィオ州テッラチーナにあるクアットロチョッキ社を訪問してきました
構想から完成まで4年かかったという2020年完成の新社屋の中には、クアットロチョッキの生産物直売店舗、搾油所、瓶詰商品の作業場、ラベルの作業場、商品倉庫、作業員用食堂、オリーブオイルの講習会場、オリーブオイルストック室を完備。
オリーブオイルの講習会場では、毎週、テイスティングの講習を開催
社屋内にある搾油室の規模は一般の搾油所よりも大きく、装置は最新式
通常の搾油所は一般のオリーブ農家のオリーブ搾油を受け入れているが、クアットロチョッキは自社農園のオリーブのみ搾油。搾油時期は9月から11月、稼働が始まると寝る時間もないほどの忙しさのなか、クアトロチョッキが重視するのは毎朝の機械洗浄。これはいままで聞いたことが無い事、社屋内は清掃も行き届いてゴミ一つない、整理整頓も完璧。
ラツィオ州 テッラチーナの新社屋 敷地内から見えるクアットロチョッキ所有の山々、
海抜500‐700mゾーンにイトラ―ナのオリーブの木がある
自社農園のオリーブだけを搾油している搾油室、油臭い匂い一つなし、床もサラサラ、完璧な掃除
(左)経営者のクアットロチョッキ アメリコ氏
(中央)この社屋を手掛けた建築士さん
(右)アメリコの奥さんのエレナさん
オイルのストック室には1本が7万リットル級のステンレスタンクが続く。通常品質管理には、酸化防止にタンク内は窒素ガスが用いられるが、ここでは、空気よりも重いアルゴンガスを使用、タンク内のオイルの表面が空気と接触しないように細心の注意が払われる。 酸化防止によく使われる窒素ガスは空気よりも軽いことからオイルの表面に空気が入る隙間ができる恐れがあるという話。1本のタンクに収まるオイル代はかなりのものなので、希少なアルゴンガスが高くてもそのオイル品質には代えられない




社屋の裏側、オリーブの実が漬けてあった、品種は食べてもおいしいイトラ―ナ。味見をさせてもらったら、ほんとに美味い。右の写真は細かくなったオリーブ種、燃料として再利用される
クアトロチョッキでは、オリーブオイルの他、オリーブの実、野菜やジャム、トマトソース、ナッツ類のペースト、はちみつなどの瓶詰商品も製造販売

クアットロチョッキから車で5分も走れば、テッラチーナ海岸、地中海へ出る。海からの風はクアットロチョッキ所有のオリーブの木がある丘に吹く。
ミバエが発生しないレベルの海抜500-700mの高地にオリーブ畑はある。且つ、気候は穏やか。。。トスカーナとの大きな違いだ。(アレッツォ周辺だと700m級にはオリーブは生らない)
クアットロチョッキの周辺は、ビニールハウス畑がたくさんあった。一体何の畑なのかを聞いたところ、野菜は何でも栽培しているそう、そして、それらのハウス、1年に2回は最低でも収穫があるらしい。その野菜、いや畑や土地毎クアットロチョッキは買い取って新鮮な状態から瓶詰製品を造っている。
オリーブ畑にしても、畑を見ないで小切手にサインするほど、畑の売り込みが度々あるそう、アメリコ曰く、「彼らは金(ゴールド)を手放すことに気付いていないんだ」といっていた
長年、イタリア産の上質のオリーブオイルと関わって、オイルの質と労働力の関係は重大な課題だということを見てきた
質を上げるためには、木からオリーブを外したとき(熟して落ちた時ではない・・)に始まって、どの位速くオイルにできるかが勝負。果実が熟していく中、限られた時間内で出来るだけの労働力を使い、一気に搾る。
美味しいオイルを徹底するには、ダラダラ収穫されては困るのが経営者。でも実質、オリーブの収穫は重労働、なかなか量をあげるのは難しい。。これについて突っ込んだ質問をしてみたところ、収穫時は毎日60人態勢で8人でグループを構成し、グループごとに競争させるんだと言っていた、でなければ、ダラダラしてしまうと。。
彼の厳しさがうかがえた・・
世界中に認められるよいものを1代で築き上げる人物と話せて、ほんとうに身が締まる想いだった
奥さんのエレナさんとおしゃべりした時、クアットロチョッキのオイルが日本で量り売りされている、それが100mlで2000円以上だという話をしたら、すでに知っていた、
100mlが2千円は驚くけれど、実際、会社を訪問してこの人たち(クアトロチョッキご夫妻)の商品だったら、あり得るという印象を強く持った
今回は送る時期が例年よりも遅いので、オイルはまろやかになってきてます、
届いてすぐに、いろんな料理にお使いいただけると思います
この度もご利用くださいましてありがとうございます (歌子)